研究者総覧

上田 敬太 (ウエダ ケイタ)

  • 医療福祉学科 教授
Last Updated :2024/03/02

研究者情報

学位

  • 医学博士(2011年07月 京都大学)

J-Global ID

研究キーワード

  • 頭部外傷   認知   情動   前頭葉   精神医学   Head Trauma   Cognition   Emotion   Prefrontal Cortex   Psychiatry   

研究分野

  • ライフサイエンス / 精神神経科学

学歴

  •         - 1996年   京都大学   医学部   医学科
  •         - 1996年   京都大学   Faculty of Medicine   Faculty of Medicine

研究活動情報

論文

講演・口頭発表等

  • 脳損傷によって生じる感情の障害 ~原因を知って対策しよう~  [招待講演]
    上田 敬太
    札幌高次脳機能障害リハビリテーション講習会 2018年12月
  • 高次脳機能障害について 社会的行動障害の理解と対応、支援の実際  [招待講演]
    上田 敬太
    日本臨床心理士会障害福祉分野研修会 2018年10月
  • 記憶錯誤の症候学  [招待講演]
    三嶋亮; 上田敬太
    第37回日本認知症学会 2018年10月
  • 精神科医療と高次脳機能障害  [招待講演]
    上田 敬太
    障害者職業総合センター課題別研修 2018年10月
  • 高次脳機能障害の脳画像技術の進歩  [招待講演]
    上田 敬太
    岡山リハビリテーション講習会 2018年01月
  • 頭部外傷に必要な精神科医療  [招待講演]
    上田 敬太
    第42回京滋救命救急セミナー 2017年10月
  • 脳損傷患者における攻撃性の臨床的特徴  [通常講演]
    上田 敬太
    公開シンポジウム 攻撃性の脳内基盤 基礎と臨床 AMED脳科学研究推進プログラム「意思決定」社会行動選択に必要なマーモセット意思決定回路機構の解明 2017年 東京 AMED脳科学研究推進プログラム
  • 脳損傷患者における社会行動障害 ?情動関連症状(特に怒り)を中心に?  [通常講演]
    上田 敬太
    平成29年度第1回支援コーディネーター会議 2017年 埼玉 国立障害者リハビリテーションセンター
  • 外傷性脳損傷に対する精神科の役割  [通常講演]
    上田 敬太
    日本脳神経外科学会第76回学術総会 2017年 名古屋 日本脳神経外科学会
  • 社会認知(情動)の精神医学  [招待講演]
    上田 敬太
    第7回Stimulation Therapy研究会 2016年07月 口頭発表(招待・特別)
  • 社会的行動障害の精神医学的側面  [通常講演]
    第40回高次脳機能障害学会学術総会 2016年 松本 日本高次脳機能障害学会
  • 精神科医から診た高次脳機能障害  [招待講演]
    上田 敬太
    第38回高次脳機能障害学会市民公開シンポジウム 2014年11月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 頭部外傷の社会行動障害  [招待講演]
    上田 敬太
    第38回高次脳機能障害学会 2014年11月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 精神科的視点から見た高次脳機能障害  [通常講演]
    奈良高次脳機能リハビリテーション講習会、橿原 2006年11月 その他
  • 前頭葉機能障害の症状~最近の知見から  [通常講演]
    大阪府言語聴覚士会総会、大阪 2006年10月 その他

MISC

  • 草野佑介; 舟木健史; 西田野百合; 田中かなで; 上田敬太; 上田敬太 高次脳機能研究 41 (3) 2021年
  • 草野佑介; 西田野百合; 田中かなで; 舟木健史; 上田敬太 日本高次脳機能障害学会学術総会プログラム・講演抄録 44th (CD-ROM) 2020年
  • 押沙織; 上田敬太; 上田将也; 荒川芳輝; 峰晴陽平; 山尾幸広; 田嶋あゆみ; 山脇理恵; 村井俊哉 日本高次脳機能障害学会学術総会プログラム・講演抄録 44th (CD-ROM) 2020年
  • 前頭葉と遂行機能
    生方志浦; 上田敬太 脳神経内科 90 (5) 525 -530 2019年05月 [招待有り]
  • TBI後の社会的行動障害
    生方志浦; 上田敬太 臨床精神医学 48 (4) 469 -475 2019年04月 [招待有り]
  • 社会的行動障害のリハビリテーションの原点とトピック
    村井俊哉; 生方志浦; 上田敬太 高次脳機能研究 39 (1) 5 -9 2019年03月 [招待有り]
  • 術前と術後早期からの介入で長期記憶障害に対する理解が促進された脳腫瘍患者1例
    山脇 理恵; 上田 敬太; 荒川 芳輝; 馬場 千夏; 村井 俊哉 高次脳機能研究 39 (1) 155 -156 2019年03月
  • 術前と術後早期からの介入で長期記憶障害に対する理解が促進された脳腫瘍患者1例
    山脇 理恵; 上田 敬太; 荒川 芳輝; 馬場 千夏; 村井 俊哉 高次脳機能研究 39 (1) 155 -156 2019年03月
  • 山脇理恵; 上田敬太; 荒川芳輝; 馬場千夏; 村井俊哉 日本高次脳機能障害学会学術総会プログラム・講演抄録 42nd 293 2018年10月
  • 健康女性における月経周期に伴う脳血流変動のfMRI解析 パイロット研究
    江川 美保; 麻生 俊彦; 日吉 和子; 植野 司; 上田 敬太; 池田 裕美枝; 大石 直也; 万代 昌紀 日本女性医学学会雑誌 26 (Suppl.) 119 -119 2018年10月
  • 加齢による脳室拡大と静脈排出の変化および、それらと正常圧水頭症の病態との関連
    麻生 俊彦; 上田 敬太 脳循環代謝 30 (1) 130 -130 2018年10月
  • Prognosis of cognitive disturbance and difficulty in everyday lives by severity in patients with diffuse axonal injury (DAI)
    Park P; Muraoka H; Ubukata S; Ueda K; Murai T; Tsukiura T International Neuropsychological Society 2018 Mid-Year Meeting, Prague, Czech Republic 2018年07月 [査読有り]
  • 脳梁に浮腫を伴う脳室内腫瘍摘出後に失読・失書を呈した左利き症例
    田嶋 あゆみ; 山脇 理恵; 上田 敬太; 田畑 阿美; 山尾 幸広; 松田 秀一; 村井 俊哉 日本神経心理学会総会プログラム・予稿集 42回 103 -103 2018年06月
  • 草野佑介; 山脇理恵; 上田敬太; 加藤格; 松田秀一 日本作業療法学会抄録集(CD-ROM) 52nd 2018年
  • びまん性軸索損傷の患者における脳幹と大脳の慢性期の体積減少と急性期重症度との相関について
    藤本岳; 生方志浦; 大石直也; 杉原玄一; 麻生俊彦; 村井俊哉; 上田敬太 第39回 日本生物学的精神医学会 2017年09月 [査読有り]
  • びまん性軸索損傷の急性期重症度と慢性期脳幹萎縮との関連
    藤本 岳; 生方 志浦; 大石 直也; 杉原 玄一; 麻生 俊彦; 村井 俊哉; 上田 敬太 日本生物学的精神医学会・日本神経精神薬理学会合同年会プログラム・抄録集 39回・47回 197 -197 2017年09月
  • びまん性軸索損傷における日常記憶に関連する要素的認知機能の障害
    村岡ひかる; 朴 白順; 生方志浦; 上田敬太; 村井俊哉; 月浦 崇 第41回日本神経心理学会学術集会,東京 2017年09月 [査読有り]
  • 前脳基底部手術例における時間情報処理の特徴に関する検討
    岩田沙恵子; 中村あゆみ; 朴 白順; 松本 昇; 藤山雄一; 末廣栄一; 上田敬太; 生方志浦; 鈴木倫保; 村井俊哉; 月浦 崇 第41回日本神経心理学会学術集会,東京 2017年09月 [査読有り]
  • Relationship between cognitive functions and processes of time information in patients with surgery of the anterior communicating artery (ACoA) aneurysm
    Iwata S; Nakamura A; Park P; Matsumoto N; Fujiyama Y; Suehiro E; Ueda K; Ubukata S; Suzuki M; Murai T; Tsukiura T The 2nd International Symposium on the Science of Mental Time, Nara, Japan 2017年09月
  • 上田 敬太 臨床精神医学 = Japanese journal of clinical psychiatry 46 (8) 973 -978 2017年08月
  • S. Ubukata; G. Sugihara; T. Murai; K. Ueda EUROPEAN PSYCHIATRY 41 S792 -S792 2017年04月
  • 前脳基底部性健忘症例における作話の特徴に関する検討
    中村あゆみ; 朴 白順; 上田敬太; 村井俊哉; 月浦 崇 第40回日本神経心理学会学術集会,熊本 2016年09月 [査読有り]
  • びまん性軸索損傷患者における日常記憶の検討
    村岡ひかる; 朴 白順; 生方志浦; 上田敬太; 村井俊哉; 月浦 崇 第40回日本神経心理学会学術集会,熊本 2016年09月 [査読有り]
  • びまん性軸索損傷における認知機能障害とstructural connectivity
    生方 志浦; 大石 直也; 杉原 玄一; 麻生 俊彦; 福山 秀直; 塚越 千尋; 村井 俊哉; 上田 敬太 形態・機能 15 (1) 37 -37 2016年08月
  • 注視行動分析は軽度認知障害者の微細な生活機能変化を明らかにする
    小田桐 匡; 上田 敬太; 麻生 俊彦; 並木 千尋; 武地 一 高次脳機能研究 36 (1) 101 -101 2016年03月
  • 情動, 記憶, 共感.ブロードマン領野の現在地.
    上田敬太; 藤本岳; 生方志浦; 村井俊哉 BRAIN and NERVE 145 (6) 1211 -1214 2016年 [招待有り]
  • 心理的時間の処理に関連する前頭葉機能と記憶機能:健常高齢者に対する検討
    中村あゆみ; 朴 白順; 上田敬太; 村井俊哉; 月浦 崇 第39回日本神経心理学会総会,札幌 2015年09月 [査読有り]
  • 自伝的記憶の想起における時間判断に影響を及ぼす要因の検討
    朴 白順; 中村あゆみ; 上田敬太; 村井俊哉; 月浦 崇 第39回日本神経心理学会総会,札幌 2015年09月 [査読有り]
  • 外傷性脳損傷者の作業速度低下の要因について
    石田 順子; 種村 留美; 上田 敬太; 松田 秀一; 村井 俊哉 日本作業療法学会抄録集 49回 O2299 -O2299 2015年06月
  • 健忘症患者における作話現象に関する検討
    新垣ほのか; 朴 白順; 上田敬太; 村井俊哉; 月浦 崇 第38回日本神経心理学会総会,山形 2014年09月 [査読有り]
  • 上田 敬太 精神科 22 (6) 646 -652 2013年06月
  • 心肺停止にて低酸素脳症後にBalint症候群を呈した症例 復職に至るまでの回復過程
    石田 順子; 上田 敬太; 種村 留美; 柿木 良介; 松田 秀一; 村井 俊哉 高次脳機能研究 33 (1) 107 -107 2013年03月
  • 中神由香子; 上田敬太; 村井俊哉 精神神経学雑誌 115 (1) 2013年
  • 牧貴紀; 荒川芳輝; 上田敬太; 岡田知久; 宮本享 日本脳腫瘍学会プログラム・抄録集 31st 145 2013年
  • 外傷性脳損傷後の社会機能に関連する認知機能障害・抑うつ症状の検討
    生方志浦; 種村留美; 吉住美保; 上田敬太; 村井俊哉 第35回日本高次脳機能障害学会学術総会 鹿児島市 鹿児島市民文化ホール (優秀ポスター賞受賞) 2011年11月
  • 敬語課題判断時における神経基盤の解明 機能的MRI研究
    芦塚 あおい; 美馬 達哉; 澤本 伸克; 大石 直也; 麻生 俊彦; 杉原 玄一; 上田 敬太; 川田 良作; 福山 秀直 認知神経科学 13 (2) 182 -182 2011年09月
  • Jun Miyata; Akihiko Sasamoto; Katja Koelkebeck; Kazuyuki Hirao; Keita Ueda; Ryosaku Kawada; Shinsuke Fujimoto; Yusuke Tanaka; Manabu Kubota; Nobukatsu Sawamoto; Hidenao Fukuyama; Hidehiko Takahashi; Toshiya Murai NEUROSCIENCE RESEARCH 71 E299 -E299 2011年
  • Aoi Ashizuka; Yoshitaka Ohigashi; Keita Ueda; Tatsuya Mima; Hidenao Fukuyama NEUROSCIENCE RESEARCH 71 E288 -E288 2011年
  • Namiko Nishida; Hiroki Toda; Hidemoto Saiki; Tokiko Murakami; Kunihiro Kadoh; Keita Ueda; Sadayuki Matsumoto; Jun Takahashi NEUROSCIENCE RESEARCH 68 E178 -E178 2010年
  • 統合失調症患者における頭蓋内容積の脳体積に与える影響
    上田敬太; 藤本心祐; 村井俊哉 平成21年度厚生労働省 精神・神経疾患研究委託費 精神疾患関連班 研究報告会(三國班)、東京 2009年11月
  • 「手指の把握運動における視覚的フィードバック操作の影響」−fMRIを用いた検討−
    大橋 良浩; 小瀧 弘正; 恒吉 克也; 上田 敬太; 河内山 隆紀; 大東 祥孝 第33回 日本高次脳機能障害学会 学術総会、札幌 2009年10月
  • 統合失調症患者の灰白質、白質体積に与える頭蓋内容積の影響
    上田敬太; 藤原広臨; 宮田淳; 村井俊哉 第31回日本生物学的精神医学会、京都 2009年04月
  • Namiko Nishida; Hiroki Toda; Hidemoto Saiki; Tokiko Murakami; Kunihiro Kadoh; Hideki Hayashi; Keita Ueda; Sadayuki Matsumoto; Jun Takahashi NEUROSCIENCE RESEARCH 65 S246 -S246 2009年
  • 村井俊哉; 宮田淳; 平尾和之; 藤原広臨; 清水光明; 並木千尋; 上田敬太; 吉住美保 明治安田こころの健康財団研究助成論文集 (42) 86 -92 2007年10月
  • 上田 敬太; 村井 俊哉 臨床精神医学 36 (8) 959 -964 2007年08月
  • 吉住 美保; 上田 敬太; 大東 祥孝 精神医学 49 (2) 137 -142 2007年02月
  • 前頭葉損傷における社会行動障害:意思決定課題および情動認知課題との関連
    上田敬太; 村井俊哉; 山田真希子; 吉住美保; 大東祥孝 第30回日本神経心理学会、名古屋 2006年09月
  • 吉住美保; 上田敬太; 村井俊哉 神経化学 45 (2/3) 488 2006年08月
  • 眼窩前頭皮質の損傷により感情の平板化をきたした1症例
    上田敬太; 村井俊哉 第99回近畿精神神経学会、大阪 2006年07月
  • 統合失調症の社会認知能力の検討:前頭葉損傷患者との比較
    山田真希子; 上田敬太; 並木千尋; 平尾和之; 大東祥孝; 村井俊哉 第29回日本神経心理学会、京都 2005年09月
  • 山田真希子; 上田敬太; 並木千尋; 平尾和之; 大東祥孝; 村井俊哉 日本神経心理学会総会プログラム・予稿集 29th 117 2005年08月
  • 上田敬太; 山田真希子; 吉住美保; 大東祥孝; 村井俊哉 日本神経心理学会総会プログラム・予稿集 29th 118 2005年08月
  • 上田敬太; 山田真希子; 村井俊哉 日本生物学的精神医学会プログラム・講演抄録 27th 139 2005年
  • 外傷性前頭葉損傷に伴う人格・行動変化
    上田敬太; 村井俊哉; 山田真希子 第9回日本神経精神医学会、神戸 2004年11月

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 生方 志浦; 大石 直也; 上田 敬太
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2025年03月 
    代表者 : 上田 敬太; 高畑 圭輔; 久保田 学; 山内 浩; 大石 直也; 麻生 俊彦; 生方 志浦
     
    本年は、脳画像のデータ収集を行った。対象者は申請者のおこなう脳損傷外来に通院する外傷性脳損傷症例で、研究参加を承諾した症例を対象に、京都大学医学部附属病院に設置された7TMRIの撮像、および滋賀県立総合病院付属研究所に設置されたPET装置を用いてアミロイド、タウPET画像を取得した。また、参加症例について、急性期の意識障害や受傷機転などの臨床情報、および画像取得時の神経心理学的後遺症、神経学的後遺症、精神医学的後遺症、さらにQOLなどの社会生活状況についての情報を取得した。令和3年度は、7TMRIについては17名、PETについては6名の画像検査を終了している。新型コロナウィルスの蔓延により、滋賀県立総合病院までの患者移動が難しい時期があり、PETについては予定よりある程度少ない症例数にとどまった。今後、感染状況を見ながらではあるものの、症例のリクルートを加速していく予定である。また、これまで撮像したPET画像の予備的検討では、白質や脳幹にアミロイドやタウが沈着している症例が一定の確率で認められ、従来変性疾患ではこのような部位についてのアミロイド、タウの沈着の検討がなされていないことから、今後、解析方法についても検討のし直しを要すると考えている。7TMRIの検査は縦断例すなわち、すでに3TMRIの研究用脳画像を過去に撮像した症例を対象に行っており、今後、経時的な体積変化についても検討を行っていく予定としている。令和3年度は、画像の予備的な解析はまだ十分に進められていないが、外傷性脳損傷症例の呈する神経心理学的後遺症、精神医学的後遺症としてのアパシー、抑うつについて、その鑑別を行うためにクラスター解析を用いて検討し、結果を学術誌に公表した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2023年03月 
    代表者 : 小田桐 匡; 葛谷 聡; 上田 敬太
     
    2021年度はコロナ窩の真っ只中であり,事実上研究対象者への研究実施は不可能であった。またその間,研究用のMRI装置の仕様が変更され,同一装置での脳撮像も困難となった。現在これまで得られた研究データの分析を中心に進めている。 軽度認知障害者,早期アルツハイマー病患者の手段的日常生活動作上に起こりうるわずかな変化について,遂行機能の影響という視点から,客観的な行動指標である眼球運動指標を用いて分析を継続している。これまでは運動計画の指標として超短時間注視を,視空間性作業記憶の観点から先行注視を抽出し分析を実施してきた。2021年度は情報の抑制と選択という遂行機能のより基本となる機能の影響について分析することを目的に研究を継続してきた。 手段的日常生活課題遂行時において,使う必要の無い誤選択肢への注視行動を無関連注視,課題遂行上必要不可欠な道具への注視行動を関連注視として定義し,各対象者の注視行動の割合を計算し比較している。まだ全ての分析は完了していないが,遂行機能障害が顕在化している症例ほど無関連注視の割合が増加しており,これは軽度認知障害者においても認められた。さらに,健常高齢者においても,無関連注視の割合が高くなるにつれて,行為のエラーにまでは至らないものの,動作上の戸惑いや無関連物品や当座に使う必要の無い関連物品への到達運動を示す傾向を認めた。しかしながら,現段階ではこのような行動指標は遂行機能の神経心理学的検査成績とは相関せず,記憶成績との相関を認め,超短時間注視の傾向と類似していることが示唆された。 眼球運動分析は,特にその計測結果を効率的に行うためのシステム改良を必要とするものの,臨床において認知機能低下を背景としたわずかな生活機能変化を客観的に明らかにすることができる有用な手法であることが実証された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2022年03月 
    代表者 : 江川 美保; 近藤 英治; 上田 敬太; 古川 壽亮
     
    産後うつ病の予測因子や早期発見のサインを客観的に検出する方法を明らかにするために、妊娠期の自律神経機能やストレスマーカーと産後の心理的尺度との関連を検討する前方視的研究を立案したが、COVID-19感染拡大のために研究方法を大幅に変更した。鉄欠乏をフェリチン<30ng/mLと定義し、診療録データや保管残余血清を用いて妊娠初期の貧血のない鉄欠乏(NAID)の有無とエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)総得点の関連を後方視的に検討したところ、NAID群では妊娠中期から産後1ヵ月にかけてEPDS総得点が有意に増加しており、妊娠初期のNAIDが周産期のうつ症状の増悪因子となるとなる可能性が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 上田 敬太; 杉原 玄一
     
    交通事故などの外傷で生じる脳損傷について、損傷後に生じる脳体積の変化、あるいは白質の結合性の変化などの検討を行った。結果として、急性期の重症度に相関する脳幹体積の低下、脳梁から灰白質への結合性の低下、表在静脈系への排出速度の低下などを認め、外傷性脳損傷後に生じる脳体積変化が、様々な機序によって生じることが示された。今後より詳細な脳神経画像を用いた検討や、後遺症との関連の検討などが望まれる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2020年03月 
    代表者 : 小田桐 匡; 麻生 俊彦; 上田 敬太; 葛谷 聡
     
    生活機能変化をもたらす認知メカニズムを明らかにするため,早期アルツハイマー病患者や軽度認知障害者を対象に,IADL遂行時の眼球運動やエラーの行動学的分析,脳イメージングデータの解析,記憶や遂行機能などの神経心理学的検査を用いて研究を行った.エラー分析によりアルツハイマー病患者同様,軽度認知障害者でもわずかな生活機能障害の存在が明らかとなった.軽度認知障害者の運動計画を反映するとされる超短時間注視は,比較対照群よりも有意に増加した.生活機能障害初期に認められた運動計画の増加は,自動化された行為の潜在的な障害に対する代償作用に相当するのかもしれない.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 月浦 崇; 村井 俊哉; 上田 敬太
     

    健常若年成人に対するfMRI研究では、社会的文脈における自己参照過程に対して、腹内側前頭前皮質や楔前部などの大脳皮質正中構造と海馬との相互作用が関与することが解明された。また、感情制御と記憶との関連を担う神経基盤として、背内側前頭前野、腹外側前頭前野、海馬を結ぶ機能的ネットワークが重要な役割を果たすことが明らかにされた。 脳損傷患者に対する神経心理学的研究では、びまん性軸索損傷(DAI)のような外傷性疾患における健忘症状の重症度(健忘期間)は、患者における記憶や前頭葉機能などの認知機能の障害の程度だけでなく、展望的記憶を含む日常記憶の問題も有意に説明する可能性が認められた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 生方 志浦; 上田 敬太; 杉原 玄一
     
    交通事故や脳卒中などによる脳損傷後の高次脳機能障害に対し、社会復帰を促進するための評価・介入の有効性および作用機序について検証した。1)高次脳機能障害患者における脳構造の変化として脳梁の繊維数の減少が認められる一方、大部分の皮質構造が保たれることが明らかとなった。2)社会生活においては認知の処理速度および心の理論の能力が重要であることが示された。3)社会認知に特化したグループ訓練では、他者の表情を読み取る能力が向上した。社会復帰を見据えた介入においては、社会生活に直結する能力に特化したリハビリテーションが有効であり、その選択において脳構造等の生物学的評価が一つの指標に成り得ると考えられる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 上田 敬太; 杉原 玄一
     
    び漫性軸索損傷の脳梁損傷について、体積が低下するだけでなく、残存する白質繊維も障害されていることが判明し、この値と、認知機能の処理速度が相関することが分かった。また、社会認知機能のうち、特に他者の情動を推測する能力が、患者の社会参加、特に認知的自立と相関することが判明した。また、慢性期の脳幹体積から、急性期の重症度を推測可能であることが分かった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 小田桐 匡; 上田 敬太; 村井 俊哉
     
    認知症の進行に伴い日常生活機能は障害される.本障害のメカニズム解明に向け,軽度認知障害者4名と早期アルツハイマー病患者4名(以下患者群),健常群15名を対象に,一連の日常的な系列物品使用課題を実施し,エラー分析などの行動分析と視線計測装置を用いた注視行動分析を実施した.課題遂行能力,遂行時間,注視回数等において両群に差を認めなかったが,患者群の課題中の視線距離は有意に増加し,安静時と遂行時の眼球運動速度の分布構造が両群で異なっていた.今後更に対象者数を増やし検証していくが,患者群では一見自立する生活機能においても,認知機能変化を背景とした僅かな行動変化の存在が示唆される.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年 -2012年 
    代表者 : 上田 敬太
     
    外傷性脳損傷の内、局所脳損傷特に前頭葉眼窩面損傷では、社会認知に影響を与える他者の情動表情認知に障害があることが明らかになった。また、びまん性軸索損傷においては、白質・灰白質ともに体積の減少を生じやすい脳部位が明らかとなった。白質では主に脳梁の膨大部、灰白質では前部帯状回や視床などの中心構造に加え、島皮質の体積減少が認められた。一方で、認知機能障害の特徴としては、びまん性軸索損傷では、局所脳損傷群と比較して、トレイル・メイキング・テストやウェクスラー成人知能検査における処理速度で有意な低下を認めた。アパシーなどの精神症状で両群に有意差は認めなかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年 -2011年 
    代表者 : 小池 薫; 鈴木 崇生; 上田 敬太; 西山 慶
     
    本研究では、軽度外傷性頭部外傷(MTBI)後に生じる高次脳機能障害に対し、世界で初めて多施設コホート研究を行った。急性期・慢性期の双方において、代表的な高次脳機能であるMMSEに比して、TMT-A、TMT-B、三宅式記銘力検査では異常所見を認めるケースが多かった。また、急性期頭部CTでは20%のみに異常所見を認めるのみで、CTでの異常所見の有無と高次脳機能に相関は認められなかった。本研究より、MTBI後の脳機能評価を行うためにはMMSEおよび頭部CTのみでは不十分な可能性が示唆され、他の高次脳機能検査やMRI撮影を行って行く必要があると考えられた。
  • 外傷性脳損傷における認知・情動障害
  • Congnitive and emotional deficit caused by brain injury