松本　しのぶ (マツモト　シノブ)

本研究は、2021年度～2024年度の４か年計画で実施するものである。初年度にあたる2021年度は、主に基礎的なデータを収集する段階である。研究課題として、理論研究およびインタビュー調査開始を計画していた。 理論研究としては、まず、障害児の親支援および父親を対象とした子育て支援などの発達障害児の父親支援に関連する文献・資料等を収集し、それらの分析と考察を行った。具体的には、論文、書籍、療育機関のホームページ、障害児の親の手記等から、発達障害児の父親とその支援に関する情報収集、分析を行った。その結果、①子どもの障害の有無に関わらず、労働環境の改善やワーク・ライフ・バランスの見直しが必要であること、②障害のある子どもを育てる父親に特有のニーズを理解し、それに即した支援が求められることが明らかとなった。なお、研究の過程において、発達障害児の父親支援そのものに関する文献は少なく、改めて療育機関の支援に関する実態調査の必要性を認識した。また、学会等への参加を通じて関連の知識を得ることにも取り組んだ。発達障害児の父親支援に関する発表はなかったものの、障害児支援や父親支援などに関する最新の知見や動向について理解を深めることができた。 インタビュー調査開始については、新型コロナウィルスの感染拡大の影響が大きく、実施できる状況ではなかった。ただし、複数の療育機関の職員に対し、療育への父親の参加状況や父親対象の行事などの実施状況等について簡単なヒアリングを実施した。その情報をもとに、次年度以降のインタビュー調査および療育機関への訪問調査の計画を立案しているところである。