日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
研究期間 : 2020年04月 -2023年03月
代表者 : 松尾 美香; 小山 理子; 望月 雅光
コロナ渦により研究活動が制限されるため、グループ活動や人が互いに協力・補完しあう背景について文献調査と既存のデータを活用した分析を行うこととした。なかでも、現地調査が実施できなかったため、分担者が2020年3月に実施した大学生の学習状況に関するWEB調査から、高校時代のアクティブラーニング(以下、ALという)に関連するデータ(N=965、質問項目17項目)の提供を受け、その分析を行った。
その結果をみると、高校での状況について、44%の学生がALを取り入れていると答え、36%がALを取入れられていないと答えていた。加えて、26%の学生は多くの教員がALを取入れたとし、39%が教員のALへの不慣れを感じていた。これらのことから、高校においてALの導入が推進されているにも関わらず、AL型授業を受講していない生徒の存在やAL型授業を取り入れていない高校があることが覗えた。この調査から現時点では、大学に入学する多くの学生が、AL型授業に慣れているわけではないと推測している。このため入学時や初年次にAL型授業に適応させるための教育プログラムの提供が必要であることを再確認できた。
この分析を踏まえて、ALに対する学生の行動・学習特性の把握できるようにするために、AL適応感尺度の開発を進めている。現在、対人基礎力、ALへの苦手感、協同作業、学習意欲、フリーライダー要素、学習方略等を確認するための質問項目が整理できている。このように、本調査の準備は整っているが、コロナ渦のため質問紙調査を実施できなかった。
また、グループ編成に関する研究についてもオンライン授業のため、授業での試行や調査が実施できなかった。